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View−Net神奈川の結成によせて

神奈川県視覚障害者の雇用を進める会 初代会長 五十嵐 光雄

1977年は私にとって、忘れることのできない記念すべき年であった。というのはそれまでも、いくつかの運動はそれなりにやってはいたものの、この年には、私の進路を大きく変える三つの事柄について着手し、一定の成果を収めて今日にいたっているからである。
その三つの運動は次のとおりである。

1.私の居住している藤沢市の東北部で、当時は、人口・世帯数・面積ともに市の10分の1といわれていた長後地区にコミュニティー福祉を進める『ありのみ会』を結成し、その後行政区分の新たな線引きで更に第2のコミュニティー福祉推進組織としての『ぶどうの会』を結成させたこと。

2.神奈川県で、はじめて施策化した「地域作業所」の第1号として『さがみライトサロン』を、自宅開放型で開始し、その後様々な施設づくりへと発展させたこと。

3.全国ではじめて、視覚障害者の雇用課題をテーマとする運動体を結成したことである。
前2者については直接本文には関係しないので、ここでは触れないこととし、三つ目の雇用運動は、その後、代表者が私から神崎さん、そして3代目の新城さんへとバトンが手わたされ、今日におよんでいる。

結成当初は華々しい成果もみられていたので、運動にかかわる各団体の役員はそれなりに張り合いもあったが、その後、社会情勢の変化もあって、運動の成果は遅々として進まなくなってからの役員は、労苦は多くして報われることの少ない時が長期にわたり、さぞかし辛苦を味わったことと思う。

そして迎えた21世紀、時流を全面的にとらえ、装い新たに『View−Net神奈川』の結成へとこぎつけたことは、まことに時宜を得ているということであり心から賛辞を送りたい。

1981年の国際障害者年を契機として、永年にわたって作り出されてきた「障害者への差別と偏見について、これを全面的に直していこう」という声が高まり、関係者の間で法律や制度などを全面的に改めていこうということになった。その頃、障害者の福祉的就労について深い関心を持っていた人々の経営・運営している授産施設の集合体である全授協(全国授産施設協議会)が「授産」という用語に抵抗感を覚え、授産に変えて『セルプ』という新語を作ってこれを使用することとなったのである(1995年)。

この言葉には次の二つの意味がある。その一つは「セルプ」で「Self(自身)とHelp(助ける)」の2語の合併語であり、またもう一つの意味は、「Support(支える)」、「Employment(雇用)」、「Living(生活)」、「Participation(社会参加)」である。

さて、この「View Net」と「SELP」の似て、非なる団体名について考えてみよう。前者は視覚障害者(V)に限定したものであり、また後者は障害を限定していないということが分かる。しかしSupportとあるので、何らかの支援を最初から期待しているということになる。あとは目的語の羅列で前者は
1.情報(I)、2.雇用(E)、3.福祉(W)が並んでおり、後者は、1.雇用(E)、2.生活(L)、3.社会参加(P)ということになっており、いずれにしても日進月歩のIT革命時代である。
特に視覚をとおしての技術が中心になりがちで、バリアを作る前にトータルデザインで行政も企業も取り組んでほしいものであるが、現実はその反対で、今ここに装い新たに出発した「View−Net」の活躍とその成果を心から期待している。それにしても、実に興味深いコントラストになっている。命名者の発案力には舌を巻くほかはない。「雇用」、「福祉」、「生活」、「社会参加」などの面で、大いなる飛躍を願ってやまない。


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